北海道の北端に位置する離島・礼文島で昨年11月、一人暮らしの石山恵美子さん(77)宅を改修するあるプロジェクトが行われた。
その名も「ひと部屋断熱」。
石山さん宅は築40年以上の木造2階建て。冬は寒く、灯油ストーブをたいても、外気温が0度のとき居間の室温は9度。窓際に置いた花が凍るほどだった。
家を暖かくするには家全体を断熱改修した方が効果は高いが、最低でも500万円はかかる。そこで、一番長い時間を過ごす居間だけを改修し、その効果を測るというのが取り組みの趣旨だ。
床に厚さ63ミリ、壁に90ミリの高性能断熱材を内側から敷き詰め、床と壁の間に風が入るのを防ぐテープを貼った。窓は単層(1枚)ガラスで、熱を通しやすいアルミ製サッシだったが、熱を通しにくい樹脂製サッシで複層(2枚)ガラスの内窓をつけた。工事は3日間で約100万円かかった。
室温や灯油消費量が改善
プロジェクトに関わった慶応…